『一日一笑』

  • 感謝の涙

    感謝の涙

     サッカーワールドカップの日本代表に、長友佑都選手が選ばれた。今年誕生日を迎えれば40歳。4年に一度の大会に、5回連続出場という快挙だ。その長友選手が、代表選手発表の瞬間を撮影した動画で、涙を流していた。涙の理由について「感謝の気持ちが一気にあふれてきた」と語った。

     この年齢になるまで、日本でトップクラスの実力を維持し続けた裏には、長友選手個人の圧倒的な努力があったはず。しかし、それが今回報われた、というような個人的な感情ではなく、選ばれたのは、支えてくれた家族や、所属チームのスタッフ、チームメイトのおかげなのだと、何の迷いもなく、そして清々しく、感謝の気持ちを表している姿に、とても心を打たれた。

     こんな偉大な選手の話題の後で大変恐縮なのだが、私にも感謝の気持ちをずっと表したい人がいる。私は、今「行政書士」として活動しているが、その前は、「司法書士」を目指して、昼アルバイト、夜試験勉強という日々を、何年も(具体的な年数はあまりに恥ずかしくてご勘弁ください)繰り返していた。何年も、ということは、つまり、そういうことだ。年に1度の「不合格」の発表のたびに、その人をがっかりさせた。

     長友選手のように、結果を出せれば、もちろん良かったのだが、結局それができなかった。でも、そのときの勉強が、今相続の相談にあたる際に、とても役に立っている。また、その頃、人前で堂々と職業を言えずに悔しい思いをした。雨の日も雪の日も朝3時に起きて新聞配達を続けた。今思えば、そうした経験によって、他人の辛さや苦しみが少し分かる人間になれたような気もする。人生に無駄なことは何一つないとしみじみ思う。

     でも、いつか、長友選手のように、感謝の涙を流したい。ずっと私のことをあきらめないでいてくれた人と一緒に。だから、絶対長生きしてね。(山下)

  • 税金より「心」

    税金より「心」

     「おしどり贈与」と呼ばれる贈与がある。そう、そのネーミングは仲睦まじい夫婦の呼称「おしどり夫婦」からきている。婚姻期間が20年を超えた「おしどり夫婦」の間で行う一定金額の贈与については、贈与税を非課税とする特例である。

     この特例が使えるのは、夫婦で今住んでいる家(土地・建物)の名義を、夫から妻、または、妻から夫へ、贈与により変更する(不動産を渡す)場合や、これから家を購入する際の資金を贈与する(お金を渡す)場合。よく知られている年間110万円の贈与の非課税枠とは別に、最高2,000万円までの現金または不動産の贈与が非課税になる。

     ただ、贈与税はゼロにできるかもしれないが、同じ財産を、「相続」の時に渡す(つまり、亡くなった時に渡す)ことに比べると、不動産取得税という税金がかかったり(相続で渡す際にはかからない)、登録免許税という名義変更の際の印紙代が5倍になったりする。さらに、相続の際にかかる税金(相続税)を大幅に減らせる「小規模宅地の特例」も使えなくなるなど、注意点もいくつかある。だから、贈与は常に慎重に行う必要がある。

     先日この「おしどり贈与」を使って、夫から妻へ自宅の土地・建物を贈与した方がいた。もちろん、上記の注意点もきちんと説明し、理解された上での決断だった。理由は「夫婦で築いた家。妻にずっと住み続けて欲しいから」というものだった。多少税金や手続き費用を払ってでも、妻に安心してほしかったそうだ。それでも、通常2000万円相当の資産を贈与で渡そうとすれば、600万円近い贈与税がかかる。それが「おしどり贈与」の特例によりゼロにでき、さらに、「今渡す」ことによる、妻の安心を手に入れることができた。このご夫婦にとって価値ある贈与となった。

     贈与にしろ、相続にしろ、財産を承継する際に、「税金をできる限り節約したい」との考えを最優先にされる方もいる。もちろんその考えは理解するが、「節税」だけでなく、「円満な承継を実現すること」も大切。税金を優先するあまり、家族間の財産分配のバランスが崩れ、ひいては、家族関係がギクシャクしてしまっては悲しい。「税金」だけでなく、「心」にも十分配慮した資産の承継が重要である。(山下)

  • 兄弟の身長差

    兄弟の身長差

     「一緒に写真撮ろう」。正月に実家で顔を合わせた一歳下(いわゆる年子)の弟から不意に声がかかった。「いい年して気持ちわりいな」と内心思ったが、言われるがままに肩を並べてパシャリ。理由を聞くと、「セミナーで使うから」という。

     私の弟は、故郷大分で整骨院を営む傍ら、スポーツトレーナーとして、全国各地で「成長期セミナー」というのを行っている。生で見たことはないのだが、からだの成長期を迎えた小中高生のスポーツ選手やその保護者を対象に、「背を伸ばす」「筋肉をつける」「睡眠をとる」といったテーマで話をしているらしい。

     確かに、成長期において、「背がどのくらい伸びるか」は、子どもも親も結構気になるもの。で、実は、私の身長は182㎝なのに対し、弟の身長は168㎝(だったと思う)。生まれた時からほぼ同じものを食べ、小学校低学年から高校卒業するまでサッカーしていたことも同じで、なのになぜこんなに兄弟で身長が違うのか、みたいなことをセミナーの「ネタ」にしているようだ。冒頭の写真は、その「証拠写真」というわけ。案の定、二人並ぶと、頭の位置が「でこぼこ」になる。

     おー、それで弟のセミナー会場がひとしきり盛り上がるのであれば、大いに協力しようではないか。私も、「相続漫才®︎」と共に、あちこちで終活セミナーをさせてもらっているので、気持ちはよく理解できる。知識や情報をただ伝えるだけのセミナーほどつまらないものはない。笑わせてなんぼ。共感を呼んでなんぼ。小ネタをたずねて三千里である。

     もし我が弟の「成長期セミナー」に興味のあるスポーツクラブや保護者さんは、ぜひ声をかけてあげてください。もちろん私に連絡いただいてもいいですよ。(山下)