ひと安心(作戦その⑤)

 母がついに3月から、デイサービスに通い始めた。週に1回。午後からの半日。送迎付き。「行き始めてよかった」と母。この言葉が聞けただけで十分。

 先日、実家に帰省したついでに、デイサービスの施設を見学した。すると、入り口に、母が描いた俳画の作品(写真)が並んでいた。利用者がくつろぐオープンスペースに進むと、実家の近所の人がいて、母はすでに友達になった様子。あいさつもそこそこに、談笑を始めた。職員が近づいてきて、検温、血圧の測定も行われた。

 職員によると、フロアにある10種類ほどの筋トレマシーンを、母は順々に回って、トレーニングを行っているとのこと。トレーナーの指導のもと、不安のあった下半身だけではなく、上半身も精力的に鍛えているらしい。

 施設にいる3時間ほど、受け身ではなく、自分から人と関わり、そして、トレーニングを行い、とても充実した時間を過ごしているようで、安心した。

 もろもろの老化現象の進み方を少しでも緩やかにしたいと始めた、母の介護サービス利用大作戦。母はまだ実際には「要支援」にも満たない状態なのだが、交通手段を持たず、日中家にこもりっきり。認知症とみられる言動もちらほら出るようになり、さらに、今年に入って、山の中にあるお墓の前で転んだ。足腰も年相応に弱ってきた。

 「まだまだ元気」と意地を張る母の、プライドを損ねないように、最大限の気を遣って「作戦」を進めてきたが、なんとかここまで漕ぎ着けた。体を鍛え、いろんな人たちと関わる。この点を意識して、目標は「元気で長生き」。これからも、少し離れた熊本から母の様子を見守りたい。(山下)