両親の故郷、大分県臼杵市。臼杵といえば、「石仏」が有名なのだが、我が家の墓は、この石仏がある集落に存在する。だから、墓参りに行く際は、観光客でにぎわう「石仏」の前を必ず通過する。そのくらい、その存在があまりに当たり前すぎて、いくつもある仏像をわざわざ見て回るということは、これまであまりしてこなかった。
そんな臼杵石仏を、改めてゆっくり散策してみようと思った。きっかけは、仏像マニアとして知られる、みうらじゅんさんと、いとうせいこうさんのお二人が出演する、臼杵石仏(正式には臼杵磨崖仏というらしい)の国宝指定30周年記念のYouTube動画(https://youtu.be/uCbpv8zKLis?si=jXlQLc35LggZEN6c)に出会ったこと。
お二人が臼杵石仏を見て回りながら、その偉大さについて面白おかしく解説。特に、仏像が岩壁とくっついた状態で、非常に精密に削り出されていることや、顔や頭に塗られた赤や黄色の着色が1000年近く経った今もうっすら残っていることなど、驚かされることばかり。すっかり臼杵石仏の魅力にハマってしまった。
そして、先日、待ちに待った、臼杵石仏巡りを敢行した。複数箇所に点在する磨崖仏の数々を、1体1体丁寧に見て回った。道中、みうらじゅんさんといとうせいこうさんが各仏像の解説をした「音声ガイド」を、スマホで聴くことができ、より楽しむことができた。
私自身臼杵に住んだこともなく、ただ単に「両親のふるさと」「お墓のあるところ」だったこの場所が、お二人の音声ナビゲートのおかげもあり、一気に誇り高き場所として、自分の認知が書き換わった。もしかして、石仏が彫られたとされる平安時代とか鎌倉時代とかに、うちの祖先って、この地域で暮らしていたのかしら? そんなことを考えながら、小高い丘の上に鎮座する石仏の場所から、我が家のお墓の方向を眺めた。集落の景色が、今までと全然違って見えた。(山下)


