遺言書はどこに保管したらいいの? 先日のセミナーで、こんな質問が出たので、「公正証書の遺言書」の場合と、「自分で書いた遺言書」の場合と、2つのパターンに分けて説明する。
まずは、公正証書の遺言書。こちらは、作成を行った「公証役場」で、遺言書の原本が保管される。保管期間は、作成者の死亡後50年、遺言書作成後140年または作成者の生後170年間にわたり、保存する取扱いとなっている。また、作成時に、原本の代わりとなる「正本」と呼ばれる冊子が、作成者に対して手渡される。この正本は、作成者自身が自宅等で保管し、作成者が亡くなった後は、家族がその正本を使ってさまざまな手続きを行う。手元の「正本」を紛失した場合は、公証役場で改めて「謄本」(コピー)を発行してもらうことができる。
一方、手書きの遺言書。こちらの保管方法は、大きく分けて2種類。一つは、自宅の金庫や仏壇の引き出し等、作成者が自分自身で保管する。この方法だと、紛失の危険性があるほか、家族に知らせていない場合は発見されない可能性もある。
もう一つは、法務局で保管する方法。令和2年から始まった制度で、自分で書いた遺言書を、住所地等の法務局に自分自身で持っていく。この場合、遺言を書く用紙がA4サイズ限定、所定の余白を設けるなどのルールがあるほか、預ける際に3900円の保管料を支払う必要がある。この方法にすると、遺言書の原本は、作成者の死亡後 50 年間、遺言書の 画像データは、作成者の死亡後 150 年間にわたり、保管してもらえる。
作成者が亡くなった後は、家族などが法務局で遺言書の原本の代わりとなる「遺言書情報証明書」を発行してもらい、手続きを行う。
せっかく作った遺言書が無駄にならないよう、「保管」という部分に焦点を当てれば、遺言書は、公正証書で作成するか、自分で書いた場合は法務局に保管するのが安心だろう。ただ、遺言書を作成する上での注意点は、他にもたくさんあるので、専門家と相談しながら作ることをおすすめする。(山下)

