遺言書作成をだれに頼むか

 遺言書の作成をする際、①自分1人で作るか②公証役場に行くか③司法書士や行政書士に頼むか。

 コスト面を重視すれば、低い順に①→②→③となる。①は、ネットの参照文を見たりしながら作れないことはないだろうが、内容が法的に問題ないか不安が残る。

 ①に比べ、②は法的に問題ないものができるが、遺言の作成者やその家族にとって、本当に最善の内容になっているのか(財産が渡った後の配慮やもめないための工夫など)について、公証役場側が作成時にどこまで説明したり、提案したりされたか、といった点まで考えると、なかなか難しい面もあるだろう。

 この日の相談は、子どものいない夫婦が、公証役場で、お互いに遺言書を完成させたケースだった。夫死亡時は全て妻に、妻死亡時は全て夫に。遺言書がない場合は、それぞれの兄弟姉妹に相続権が発生するため、子どものいない夫婦は遺言書がマスト。ここまではよかった。

 しかし、それだけでは足りない。なぜなら、夫婦であれば、通常どちらかが必ず先に亡くなる。たとえば、夫が先に亡くなった場合、次の妻の時は、遺言書に「全て夫に」と書いてある。しかし、その時すでに夫はこの世にいない。妻が遺言書で渡したかった夫がいない場合は、通常相続となり、妻の兄弟姉妹(親はいないと仮定)に相続権が発生する。

 今回は、兄弟姉妹に絶対相続させたくないケースだった。その場合は、「妻が先に亡くなっていた場合は次に●●(たとえばお世話になった人や団体など)に渡したい」という「第2希望」を、最初の遺言書の中にきちんと入れておかなければいけなかった。公証役場で作っても、この点が見落とされた。近々作り直しを検討するという。

 結局、遺言書を作る人と経験豊富な専門家とがじっくり話をしながら、いろんな状況を想定して作成できる③がおすすめだし、さらに言うと、③→②のコースなら万全。

 遺言書の内容は、家族ごとに「正解」が異なる。家族の状況も違えば、財産の内容も違う。遺言書の最大の価値が、遺言を作る人の希望を最大限反映し、同時に、将来の家族が円満に生活できること、とを両立させることにあるならば、多少費用を投じてでも、専門家と一緒に作り上げることを推奨したい。(山下)

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