実家にケアマネさんがやって来た。母に介護保険証が届いて最初の面談。本人の様子の確認と、今後どんなサービスを利用していくのかの希望調査といったところだ。
母の現状はおおむね元気で、今回の要介護認定では、「要支援」にも該当しなかったため、自治体独自の事業を利用する。耳がとても遠いものの、集音器を付けて、質問されたことにテキパキ答える母に、ケアマネさんも「とてもお元気ですね」と太鼓判を押していた。
とはいえ、介護(介護予防)サービスの利用に踏み切ったのには、大きく2つ理由がある。
一つは、下半身の筋力強化。ここ数年、自宅周辺で数回転倒し骨折、入院を繰り返した。今では普通に歩けるようになっているが、今後そうしたリスクを回避できるように、足腰を鍛えていければと考えている。
もう一つは、認知症の進行を遅らせる、あるいは、止めること。年相応に物忘れもするし、時々妄想、幻覚、幻聴を訴えることがある。自動車の運転は元々しないし、家の近所に公共交通機関もないため、買い物や通院にもタクシーが必要になる場所に住んでいる。そのため、一日中家に閉じこもっていることが多い。
そこで、週に1回でも、外に出て、人と交流する機会を作る。そうすることで、気分も晴れるし、脳の機能を活性化できるだろうと考えている。
ケアマネさんの面談も順調に終わり、利用する介護サービスの内容と事業所も決まった。次回は、その事業所さんとの打ち合わせを行うことになった。
一方、気になることがあった。母に介護サービスを利用してもらう今回の「作戦」を遂行する上で、最初の窓口となった「地域包括支援センター」(以下、「地域包括」という。)で、私は、母の状況を詳しく伝える中で、母が機嫌を損ねるNGワードを強調してお伝えしていた。「その名前だけは、出さないで。母が警戒するかもしれないので」と。
そのNGワードとは、以前入院していた「病院名」なのだが、そこで母は嫌な思いをしたらしい(これもたぶん妄想だと思われるのだが、本人からしたら「現実」で、私に時々そのときの「経験」を、さもあったかのように、事細かに訴えることがある)。この日のケアマネさんは、地域包括から紹介されたのだが、そのNGワードを面談の際にぽろっと口にしてしまった。
私は慌ててごまかしたが、ケアマネさんはそれが「NGワード」とは知らなかったようだ。引き継ぎを受けていなかったらしい。しかも、この日実家の住所の番地を地域包括から事前に聞いておらず、直前に私の携帯に電話がかかってきて、私が誘導した。そんなことある?
本当はもうちょっといろいろあるのだが(笑)、小言はこの辺で。いずれにしても、母の介護サービス利用大作戦は、いたって順調。母が目的をきちんと理解し、今の自分に必要なことだ、と納得して、サービスを利用しようとしていることを、とてもうれしく思う。(山下)


